からだ図鑑 07 / 消化管
小腸しょうちょう
おなかの中に折りたたまれた、からだでいちばん長い臓器。消化の仕上げをして、栄養のほとんどをここで吸収します。
- 長さ
- 約6〜7m
- 絨毛1本の長さ
- 約1mm
- 通りぬける時間
- 3〜5時間
おなかに折りたたまれた、いちばん長い臓器
小腸は、胃の出口から大腸の入り口までつながる、長さ約6〜7mの管です。最初の約25cmが十二指腸、その先の前半(約5分の2)が空腸(くうちょう)、残り(約5分の3)が回腸(かいちょう)とよばれます。
これだけ長い管が、おなかのまん中にくねくねと折りたたまれて収まっています。腸がばらばらにからまらないのは、腸間膜(ちょうかんまく)という膜でうしろのかべにつり下げられているからです。腸間膜の中には、腸に栄養を送り、吸収したものを運び出す血管が通っています。
なお、小腸の長さは、人によっても測り方によっても大きく変わります。手術中に生きている人の小腸を測った研究では、平均で5〜8mほどでした。「6〜7m」は大人のおよその目安です。
消化の仕上げ
十二指腸で胆汁と膵液がまざった食べ物は、小腸を進みながら、さらに細かく分解されていきます。小腸のかべの表面にも消化酵素があり、栄養を吸収できるいちばん小さな単位まで切り分けます。
| 栄養素 | 分解されると | おもに分解するもの |
|---|---|---|
| 炭水化物(でんぷんなど) | ブドウ糖など | だ液・膵液・小腸のかべの酵素 |
| タンパク質 | アミノ酸 | 胃液・膵液・小腸のかべの酵素 |
| 脂肪 | 脂肪酸とモノグリセリド | 胆汁(細かくする)と膵液 |
ひだ・絨毛・微絨毛:表面積をかせぐ3段がまえ
栄養をたくさん吸収するには、食べ物とふれる面積が広いほど有利です。そこで小腸の内側には、面積を広げるしかけが3段がまえで用意されています。
- 輪状ひだ:内側をぐるりと一周する、輪のようなひだ。人体ダイブの小腸で、どこまでも続いて見える輪です。
- 絨毛(じゅうもう):ひだの表面にびっしり生えた、長さ約1mmの指のような突起。かべがビロードのように見えるのはこのためです。
- 微絨毛(びじゅうもう):絨毛の表面の細胞の一つひとつに生えた、顕微鏡でしか見えない細かい毛のような突起。
このしかけのおかげで、小腸の内側の表面積は約30㎡、ワンルームの部屋ほどの広さになります。以前は「テニスコート1面分」ともいわれていましたが、最近の研究で、実際はそれよりせまいことが分かってきました。それでも、ひだや絨毛のないただの筒にくらべれば、60〜120倍ほどの広さです。
吸収された栄養のゆくえ
絨毛の中には、細い毛細血管と、リンパ管(乳び管:にゅうびかん)が通っています。
- ブドウ糖とアミノ酸は毛細血管に入り、門脈という血管を通って、まず肝臓へ運ばれます。
- 脂肪はもう一度組み立て直されてリンパ管に入り、リンパの流れに乗って、やがて血液に合流します。
水分の吸収も、小腸の大きな仕事です。飲んだ水と、だ液や胃液などの消化液をあわせると、1日に腸へ入ってくる水分は約8〜9Lにもなります。そのほとんどを小腸が吸収し、残りを大腸が吸収します。
入れかわりの早い、免疫の最前線
小腸のかべの表面の細胞は、食べ物や消化液に毎日さらされるため、3〜5日ほどで新しい細胞に入れかわります。はがれ落ちた古い細胞は、うんこの材料の一部になります。
腸は、口から入ってきた細菌やウイルスと向き合う場所でもあります。回腸のかべには、パイエル板とよばれる免疫の拠点があり、からだの免疫細胞の多くが腸に集まっているといわれます。