からだ図鑑 08 / 消化管

大腸だいちょう

小腸で栄養を吸い取られた残りから、水分をしぼり取って、うんこを仕上げる場所。たくさんの腸内細菌が住んでいます。

長さ
約1.5m
腸内細菌の数
約40兆個
通りぬける時間
十数時間〜数日

小腸を囲む額縁

大腸は、長さ約1.5mの腸です。小腸より短いですが、太さは2倍ほどあります。おなかの右下で小腸とつながり、小腸のまわりを額縁のようにぐるりと囲んでいます。食べ物の残りは、次の順番で進みます。

  1. 盲腸(もうちょう):おなかの右下。大腸の入り口にある袋。
  2. 上行結腸(じょうこうけっちょう):からだの右側を上へ。
  3. 横行結腸(おうこうけっちょう):肝臓と胃の下を、右から左へ横切る。
  4. 下行結腸(かこうけっちょう):からだの左側を下へ。
  5. S状結腸(えすじょうけっちょう):S字にくねって、直腸へつながる。

大腸のかべは、ところどころがふくらんだ、ちょうちんのような形をしています。これは、かべにそって走る3本の筋肉の帯(結腸ひも)が腸を引っぱって、ちぢめているからです。人体ダイブで横行結腸の中が三角形に見えるのも、この3本の帯のせいです。

回盲弁と、盲腸・虫垂

盲腸の先にぶら下がる細い管が虫垂。

小腸と大腸のつなぎ目には、回盲弁(かいもうべん)という一方通行のドアがあります。小腸から大腸へは通れますが、大腸の中身が小腸へ逆流しないようになっています。

回盲弁の下にある行き止まりの袋が盲腸で、その先には、長さ6〜8cmほどの細い管、虫垂(ちゅうすい)がぶら下がっています。よく「盲腸の手術」といいますが、炎症を起こしているのは、じつは盲腸ではなく虫垂です(虫垂炎)。

虫垂は、昔は役に立たない部分だと考えられていました。最近では、免疫にかかわる組織が集まっていて、腸内細菌のバランスを保つのに役立っているという説もあります。

水分をしぼって、うんこをつくる

大腸に届くのは、栄養をほとんど吸収されたあとの、ドロドロの残りです。大腸はその中から、水分と塩分(ナトリウムなど)を少しずつ吸収していきます。1日に大腸へ入ってくる水分は1.5Lほどですが、うんことして出ていくのは、そのうち0.1〜0.2Lほどです。

大腸の中を進むスピードは、とてもゆっくり。十数時間から、ときには数日かけて進むうちに、中身はドロドロから、だんだん形のあるうんこに変わっていきます。大腸は1日に何回か、中身を一気に先へ送る強い動き(大ぜん動)を起こします。この動きは、食事をして胃に食べ物が入ったときに起こりやすいことが分かっています。

腸内細菌:からだの同居人

大腸の中には、さまざまな形の細菌がくらしています。

大腸の中には、数百から1,000種類ほど、約40兆個もの細菌が住んでいます。これを腸内細菌といいます。人間のからだの細胞の数(約30兆〜37兆個)と同じくらいか、少し多い数です。

腸内細菌は、ただ住んでいるだけではありません。

  • 人間には消化できない食物繊維を分解して、大腸の細胞のエネルギーになる成分をつくる
  • ビタミンKなど、からだに必要なビタミンの一部をつくる
  • 悪い菌がふえるのをおさえ、免疫のはたらきをきたえる

からだによいはたらきをする菌は「善玉菌」、悪いはたらきをする菌は「悪玉菌」とよばれることがあります。腸内細菌のバランスは、食べるものによって変わります。野菜、豆、海藻、きのこなどに多い食物繊維は、腸内細菌の大切なえさです。

おならの正体

おならのもとは、食べるときにいっしょに飲みこんだ空気と、腸内細菌が食べ物の残りを分解するときに出すガス(水素、二酸化炭素、メタンなど)です。人体ダイブの大腸で見えるぷくぷくした泡が、このガスです。

ガスの大部分にはにおいがありません。くさいにおいのもとは、ほんの少しだけふくまれる、硫黄(いおう)をふくむガスなどです。肉など、タンパク質の多い食事が続くと、においが強くなりやすいといわれます。

3Dで見る人体ダイブで、大腸を進んでみる