からだ図鑑 06 / 消化を助ける臓器

肝臓・膵臓・胆のうかんぞう・すいぞう・たんのう

胃を出た食べ物は、十二指腸で2種類の消化液と出会います。それをつくって送りこんでいるのが、この応援チームです。

肝臓の重さ
約1.2〜1.5kg
1日の膵液
約1〜1.5L
胆のうにためる胆汁
約50mL

十二指腸:消化液の合流地点

十二指腸は、胃の出口に続くC字形の腸。

胃の出口(幽門)の先には、アルファベットのCのように曲がった、長さ約25cmの十二指腸があります。小腸のいちばんはじめの部分です。

十二指腸のかべには、小さな出口がひとつあります。ここから、肝臓でつくられた胆汁(たんじゅう)と、膵臓でつくられた膵液(すいえき)が流れこみ、胃から来たかゆ状の食べ物にまざります。人体ダイブで十二指腸に入ると、黄色っぽい液がまざって見えるのはそのためです。

胃から来た中身は強い酸性ですが、膵液はアルカリ性なので、ここで酸が中和されます。そのおかげで、小腸のかべが酸でいたまずにすみ、腸の消化酵素がはたらきやすくなります。

肝臓:からだの化学工場

肝臓は、おなかの右上、ろっ骨の内側にある、からだの内側にある臓器のなかで、いちばん大きな臓器です(からだ全体では、皮膚がいちばん大きな臓器です)。重さは約1.2〜1.5kg。500以上もの仕事をこなすことから、「からだの化学工場」とよばれます。

  • 栄養をたくわえる:ブドウ糖を「グリコーゲン」に変えてためておき、必要なときに血液へ出す。
  • 毒を分解する:アルコールや薬、からだに有害なアンモニアなどを、害の少ないものに変える。
  • 材料をつくる:血液にふくまれるタンパク質や、血を固める成分をつくる。
  • 胆汁をつくる:脂肪の消化を助ける胆汁を、1日に約0.5L(500〜600mL)つくる。

小腸で吸収された栄養をふくむ血液は、全身に回る前に、門脈(もんみゃく)という血管を通って、まず肝臓へ運ばれます。肝臓は、栄養をたくわえたり、つくり変えたり、毒を取りのぞいたりしてから、血液を全身へ送り出しているのです。

肝臓はとても再生力が強く、手術で一部を切り取っても、もとの大きさ近くまで戻ります。いっぽうで、悪くなっても痛みなどのサインが出にくいため、「沈黙の臓器」ともよばれます。

胆のうと胆汁

胆のうは、肝臓の下にある小さな袋。

肝臓の下には、なすびのような形をした小さな袋、胆のうがあります。肝臓でつくられた胆汁をためて、水分をぬいて濃くしておく場所です。ためられる量は約50mLほど。

あぶらの多い食べ物が十二指腸にやってくると、胆のうがきゅっと縮んで、胆汁を送り出します。胆汁には消化酵素はふくまれていませんが、脂肪を細かいつぶにして水になじませる、洗剤のようなはたらきがあります。つぶが小さくなることで、膵液の酵素が脂肪を分解しやすくなるのです。

胆汁にふくまれる黄色い色素は、腸の中で変化して茶色になります。うんこが茶色いのは、この胆汁の色素のせいです。

膵臓:消化液とホルモンの二刀流

膵臓は、胃のうしろに横たわる細長い臓器。

膵臓は、胃のうしろに横たわる、長さ15〜20cmほどの細長い臓器です。頭の部分が十二指腸のカーブにすっぽりはまっています。

膵臓がつくる膵液は、1日に約1〜1.5L。炭水化物を分解するアミラーゼ、タンパク質を分解するトリプシン、脂肪を分解するリパーゼなど、3大栄養素すべてを分解する酵素がそろった、とても強力な消化液です。

膵臓には、もうひとつの大切な仕事があります。膵臓の中に島のように散らばった細胞のかたまり(ランゲルハンス島)から、血液中の糖の量(血糖値)を調整するホルモンを出しているのです。血糖値を下げるインスリンと、上げるグルカゴン。とくにインスリンは、血糖値を下げられる、からだでただひとつのホルモンです。

脾臓:血液のリサイクル係

脾臓は、胃の左うしろにある、にぎりこぶしほどの臓器。

胃の左うしろには、にぎりこぶしほどの大きさの脾臓(ひぞう)があります。消化には直接かかわりませんが、血液のための大切な仕事をしています。

脾臓は、約120日働いて古くなった赤血球をこわして、その材料をリサイクルに回します。また、血液の中に入りこんだ細菌などを見つけてやっつける、免疫の拠点でもあります。

3Dで見る人体ダイブで、おなかの臓器を透視する