からだ図鑑 09 / 消化管のゴール
直腸と肛門ちょくちょう・こうもん
口から続いてきた約9mの管も、いよいよ終点。うんこが出番を待ち、合図とともに外へ出ていく場所です。
- 直腸の長さ
- 約15〜20cm
- 肛門の括約筋
- 2種類
- うんこの水分
- 約75%
うんこの待合室
大腸でつくられたうんこは、ふだんはS状結腸にためられて、出番を待っています。大腸が中身を一気に送る強い動きを起こすと、うんこは直腸へ押し出されます。
直腸は、大腸のいちばん最後の部分で、長さは約15〜20cm。大腸のほかの部分にあったふくらみ(ちょうちんのような形)はなくなり、かわりに、内側に3枚ほどの横向きのひだがあります。このひだが、うんこを下から支える棚の役目をしています。
「トイレに行きたい」のしくみ
うんこが直腸に入ってくると、直腸のかべがのばされます。かべにあるセンサーがそれを感じとり、神経を通って、背骨の中の脊髄(せきずい)から脳へと信号が送られます。こうして私たちは「トイレに行きたい」と感じます。これを便意(べんい)といいます。
便意を感じても、トイレに着くまではがまんできます。それは、肛門のまわりに、自分の意思でしめられる筋肉があるからです。ただし、がまんをくり返していると、直腸のセンサーがだんだんにぶくなって、便意を感じにくくなり、便秘の原因になることがあります。
朝ごはんを食べたあとにトイレに行きたくなりやすいのは、胃に食べ物が入ると、その刺激で大腸が強く動き出すからです(胃結腸反射)。
2つの括約筋と、肛門管
直腸の先、からだの出口までの長さ3〜4cmほどの部分を肛門管といいます。ここは、ドーナツのような形をした2種類の筋肉(括約筋:かつやくきん)で、二重にしめられています。
- 内肛門括約筋:内側の筋肉。自分の意思とは関係なく、いつもしまっている。
- 外肛門括約筋:外側の筋肉。自分の意思でしめたり、ゆるめたりできる。
肛門管の内側には、腸の粘膜がからだの外側の皮ふへと切りかわる、ギザギザの境目(歯状線:しじょうせん)があります。境目より上は痛みを感じにくく、下は皮ふと同じように痛みを感じやすくなっています。また、肛門の内側には、血管の集まったやわらかいクッションがあり、すき間なくぴったり閉じるのを助けています。このクッションがはれたり、出てきたりするのが「痔(じ)」の一種です。
うんこの正体
うんこの約4分の3(75%ほど)は水分です。残りの固形部分には、次のようなものがまざっています。
- 腸内細菌:生きている菌と、その死がい。固形部分の4分の1から半分ほどをしめる、いちばん多い成分です
- 食べ物の残り:消化できなかった食物繊維など
- はがれた腸の細胞:入れかわりで古くなった、腸のかべの細胞
うんこは、食べ物の残りだけでできているわけではないのです。
うんこの茶色は、肝臓でつくられる胆汁にふくまれる色素の色です。黄色い色素が、腸内細菌のはたらきで茶色に変わります。においのもとも、腸内細菌がタンパク質などを分解してつくる物質です。
うんこは、からだからのおたより
うんこの形や色は、そのときのからだの調子を教えてくれます。世界の病院で使われている「ブリストル便形状スケール」では、うんこを7つのタイプに分けています。
| タイプ | 形 | からだの状態 |
|---|---|---|
| 1〜2 | コロコロ・かたいかたまり | 便秘ぎみ。大腸に長くいて、水分をとられすぎた |
| 3〜4 | なめらかなバナナ・ソーセージ形 | 理想的 |
| 5 | やわらかい半分固形 | 少しやわらかめ |
| 6〜7 | どろどろ・水のよう | 下痢。水分を吸収しきれないまま速く通った |
回数は人によってちがい、1日に3回から1週間に3回くらいまでは、ふつうの範囲といわれます。いつもとちがう色(黒い、赤い血がまじる、白っぽいなど)が続くときは、おうちの人や医療機関に相談しましょう。