からだ図鑑 11 / からだ全体
脳・神経・骨のう・しんけい・ほね
消化管も、心臓も、肺も、すべては脳と神経がまとめて動かしています。そして、そのからだ全体を支えているのが骨です。
- 大人の脳の重さ
- 約1.2〜1.5kg
- 大人の骨の数
- 約206個
- 脊髄の長さ
- 約40〜45cm
脳:からだの司令塔
脳は、頭の骨(頭蓋骨:ずがいこつ)に守られた、からだの司令塔です。重さは大人で約1.2〜1.5kg。体重のわずか2%ほどですが、からだ全体が使うエネルギーの約2割を使っています。脳は大きく3つの部分に分けられます。
- 大脳:考える、覚える、見たり聞いたりしたことを感じる、からだを動かす命令を出す。左右2つに分かれています。
- 小脳:大脳のうしろの下にあり、からだのバランスをとったり、動きをなめらかにしたりする。
- 脳幹(のうかん):脳と脊髄をつなぐ部分。呼吸や心臓の動きなど、生きるために欠かせないはたらきを、意識しなくても自動で続けている。
脳の中には、神経細胞が約860億個あるといわれます。神経細胞どうしがつながりあい、電気と化学物質で信号をやりとりしています。
脊髄と神経:情報の高速道路
脳から背骨の中を通って下へのびる、太い神経の束が脊髄(せきずい)です。長さは約40〜45cm。背骨の全長よりも短く、腰の上あたりで終わっています。その先は、馬のしっぽのような神経の束(馬尾:ばび)になって、さらに下へ続きます。
脊髄からは左右に神経が枝分かれして、全身のすみずみまでのびています。からだのセンサーが感じた情報は神経を通って脳へ、脳からの命令は神経を通って筋肉へ届きます。速い神経では、信号は秒速100m以上で伝わります。
熱いものにさわって思わず手を引っこめるときは、信号が脳まで行く前に、脊髄が命令を出しています。これを反射といいます。脳で「熱い」と感じるより先に、からだが動いているのです。
消化管を動かす、もうひとつの神経
胃や腸は、私たちが「動け」と命令しなくても、自動で動いています。これをあやつっているのが自律神経です。自律神経には、アクセルとブレーキのような2種類があります。
- 交感神経:活動するときや緊張したときにはたらく。心臓はドキドキするが、消化はひかえめになる。
- 副交感神経:リラックスしているときにはたらく。胃や腸が活発に動き、消化が進む。
緊張すると食欲がなくなったり、おなかの調子がくずれたりするのは、このバランスが変わるからです。
さらに、腸のかべの中には、2億〜6億個もの神経細胞が網のように広がっています。腸は脳からの命令がなくても、この神経のネットワークで自分の動きを調整できるため、「第二の脳」とよばれることもあります。
骨:からだの柱と、血液の工場
大人のからだには、約206個の骨があります。生まれたばかりの赤ちゃんは300個ほどありますが、成長するにつれていくつかの骨がくっついて、数が減っていきます。
- 頭蓋骨:脳を守るヘルメット。
- 背骨:首の骨7個、胸の骨12個、腰の骨5個などが積み重なった柱。中を脊髄が通る。
- ろっ骨:左右12対、24本。心臓と肺を守るかご。
- 骨盤:おなかの臓器を下から受け止めるお皿。上半身の重さを両脚へ伝える。
いちばん長い骨は、太ももの大腿骨(だいたいこつ)で、長さは身長のおよそ4分の1。いちばん小さい骨は、耳の奥にある「あぶみ骨」で、わずか3mmほどです。
骨は、ただの硬い柱ではありません。骨の中のやわらかい部分(骨髄:こつずい)では、赤血球や白血球などの血液の細胞が毎日つくられています。また、骨はカルシウムの貯金箱でもあり、古い骨をこわして新しい骨をつくることを、一生くり返している生きた組織です。
皮膚:からだでいちばん大きな臓器
からだの外側をおおう皮膚も、じつは臓器のひとつです。大人の皮膚を広げると約1.6㎡、たたみ1枚ほどの広さになり、からだでいちばん大きな臓器です。
皮膚は、外の細菌や紫外線からからだを守るバリアであり、あせを出して体温を調整し、さわったものの感触や温度、痛みを感じるセンサーでもあります。人体ダイブの旅の始まりと終わりで通る口と肛門は、消化管の粘膜と皮膚が切りかわる場所なのです。